イシイルカに、もてあそばれる
by Hamanasu
みなさん、こんにちは。
ささもりです。
今日の羅臼はジリ(霧雨というか、濃霧をこう呼びます)。
港を離れるや、一面のジリ世界へ突入です。
後にしてきたはずの知床半島も、前にあるはずの国後島も
ミルク色の霧に包まれて、視界から消えてしまいました。
しばらくすると、一緒に出航したエバーグリンから、
「ぅお~い、マッコいるど~」(注:日本語)とお誘いが。
でも、今日のような日は、マッコウの噴気もなかなか捕ら
えきれず、私たちは結局、見ることができませんでした。
「どうしたもんか」と思いつつ、水深1000mラインを
港へむけてのろのろ走っていると、突然、水しぶきが。
半分寝ていたお客さんをマイクで「イシイルカですよ~」
と起こし、観察しました。
イシイルカたちは最初、(腹部の白斑が喉元までのびる)
リクゼンイルカ型だけでしたが、反対方向から(背ビレの
あたりで白斑が切れる)イシイルカ型が参戦して、そのう
ち、船の周りはイシイルカ型のみに。
残った3頭のイシイルカたちは、船の周りをグルグルまわっ
ては突然浮上するという遊び?を繰り返します。
そのうち時間も過ぎて、船が港にむけて走り出しても彼ら
は去らず、しばらく一緒に泳いでいました。
舳先や舷側を並んで泳ぐ彼らの体が暗い海にぽわんと浮か
んだように見えて、ジリの中、外で頑張っていたお客さん
たちも「きれいですね~。丸々としてかわいい」などと、
みとれていました。
どんな動物であっても、力強く奔放に自然の中で生きてい
る様子をみると様々な意味で感動させられます。
イシイルカをたっぷり観察したお客さんたちは楽しそうに
船を下りていきました。
寒い中、長い間お疲れ様でした。
みなさんも、北の海の暴走するイシイルカに逢いに来て下
さいね。
そうそう。
東京 丸の内の「さえずり館」での展示も好調のようです。
そちらでも暴走するイシイルカの姿をみられるよう、写真
や映像を提供しています
羅臼までは無理という方は、どうぞそちらへ足を運んで下
さいね。
text by Kotoe